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Beautiful Name [てくてくと]

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「花子」は今日も、仕事開始を待ってます。

昨日、予定では東北太平洋沿岸に行こうとしていた。
実際車に乗って、エンジンかけて、ドライブに入れて数メーターは進んだ。
けど・・・やめた。
「行ったところで、撮ったところで何かが変わる訳でもないな」と自嘲気味。

「浅田家」で有名な写真家の浅田政志さんの「アルバムのチカラ」を発注。その一冊が編み上がるまでの話がラジオで紹介された。写真の力はすごい。一枚が永遠の宝物になる。そう感じる。
撮ってばかりの「外来種」には、人を感動させる力はない。そう思い知らされる。

ネット上では「アマチュア写真家が見つけた一枚の写真」が話題になり、TVでも紹介された。
実は私も、震災後の仙台新港近くのアウトレットモール駐車場で、事細かくトリミングの指示が入ったネガを拾っている。ネガなので自分のアタマの中で画像反転させるしかないのだが、素晴らしいなと思う一枚だった。36枚撮りフィルムで、中には砂利と海水がたっぷり入っていた。
そのネガの持ち主のことを思えば、また預かったカメラ店の事を考えれば持ち主を探すのが普通なんだろうが、目の前の惨状に比べてそのあまりにも「日常的な」ネガは異質に思えて・・・誰かに見つかって欲しいな、と、近くのガードレールに貼り付けるだけしかできなかった。

いまだに後悔している。

野田村で見つけた、少女の教科書も、家族のアルバムも。どこかに届けて持ち主に渡すこともできたはず。でも、しなかった。

最近になって色々な形で当時の映像が流れる機会が多くなる。この時期が一番辛い。
あの揺れを思い出すし、翌日仙台、多賀城で社員さんを探すために避難所を探し回った光景が思い出される。
あれから「地震に対する漠然とした不安」は、いまだに消えていない。終わりのない不安。

出会った人の安否も不明。あのときもっと「頑張らないで」と伝えていたら、今も元気だったかも知れないし。

震災なんて、起こらなきゃよかったのに。

Jビレッジ前の交差点で出会った大阪の「新米」機動隊員さん。もう戻ったかな?
流された橋のたもとで「橋がない」と泣いていたオジサンは、どうしただろう。
牛乳屋のお父さんは、防潮堤に反対したままなんだろうか?
福島のあのきれいな桜。今年もひとり咲くのかな・・・。

電気の来ない日々。大津波の映像を見たのは6月頃の話。
においは、忘れることはないだろうな。

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