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沖縄タイムス:大弦小弦 2015年06月27日付 [ひとりごと]

 「売国奴」「日本から出て行け」。2013年1月27日、オスプレイ配備撤回を求める東京行動の銀座デモに一部の団体が罵声を浴びせた。その記憶がよみがえったきっかけは、作家の百田尚樹氏が自民党の若手国会議員の会合で放った発言だ。
 「商売目的で普天間飛行場の周囲に住み始めた」「沖縄の二つの新聞をつぶさないといけない」などの発言は憎悪をむき出しにしたヘイトスピーチと変わらない。同じ思いが自民議員にあることもあらわになった。
 詩人山之口貘が1935年に発表した詩「会話」には「あれは日本人ではない」とあり、「世間の偏見達が眺めるあの僕の国か」とつづられる。
 80年をたってもなお一部には沖縄に対する偏見が残っている。基地問題の成り立ちや現状に対する無知、誤った認識によってゆがめられ、攻撃的になっている。
 議員は安倍政権に近いとされる。「マスコミをこらしめるには広告収入をなくせばいい」とぶち上げた議員もいた。政権に批判的な報道への強気な態度で首相への忠誠心をアピールしたのだろう。
 憲政の神様とされる尾崎行雄氏は47年に出版した『民主政治読本』(世論時報社)で、立法府が政府の補助機関になった戦前の反省を挙げ、主人の命令にただ従う奴隷根性の一掃を説いた。70年近い前の警告が現実となりつつある。(与那原良彦)

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=121660

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