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それでも地球は回っている、ということ [本]

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「道」 荒木経惟

3.11以降、東の空を撮影し続け・・・と、帯には書かれている。
多分祈るような思いで、見守っていてくれるんだろうなというのは自分勝手な思い。

この写真集を何度か立ち読みしていた。そのときは意味が分からなかった。
先日家人より頂戴し、うちでゆっくりページを繰ってみた。
その感想が、「それでも地球は回っている、ということ」と、いうこと。

生存者確認、救助作業、命がけの原発制御の同じ国、同じ時間軸の上にこの風景は確かにあった。
そして今も、何気ない風景の、ほぼ毎日繰り返される単調な日常とかけ離れた場所では、復興や除染問題、帰還に向けたロードマップ、廃炉作業の困難さ露呈という全く別の風景が広がっている。

アラーキー師は、その「人間の営み」の脆さを写したかったのかな?と何気に思った。

そうなんだ、それでいいんだ。と、言ってもらったような気もする。とても不思議な気分。

常に被災地を思う人もいれば、時々思い出してくれる人もいる。もちろん、そんな余裕もなく日々に追われている人もいるだろう。それがすべてで、それが真実。ありのまま、そのまま。
批判でも批評でもない、無視でも傍観でもない、「日常」が撮られている。
ある意味で、震災の爪痕を撮り歩く以上に大変な心境だと思う。
でも、師の写真がスッと入ってきたのも確か。

前後左右上下無く、見られる写真集です。是非お手元に。

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