SSブログ

往来 [Nikkor(Plaubel Makina)]

image106.jpg



天下の往来(・・・「道」です)。この写真右手の建物を撮っていると、往年の美女に声をかけられる。
「菅原さんちを撮ってんだが?」 はい。なんか良い表情なので。
「んだべぇ。昔っから結構儲がってらがら」 やっぱりそうなんですね。
気さくに声をかけていただいて、何となくほっとする。

おかあさん、これからどちらへ? 「ん〜。病院だぁ。出勤すんだぁ。友達待ってるから(笑)」

そう言って、お母さんは病院への道を歩き始めた。

どうぞお達者で。と願って1枚。プラウベル・マキナW67だと、案外警戒されないなあ。

***

不眠症投薬の関係で、先月から「何を見ても感情の起伏が起こらない」ような人間になっている。
たぶんこの薬のせいで、たくさんの「ちょっとしたすばらしい光景」を見ることができなくなったのだろう。ココロは動かなくなり、レリーズ数もかなり減った。
子供たちに対しては「はい、ここは喜ぶところ」「はい、ここは悲しむところ」とまるで舞台俳優のように演技している。会社の来客に対しても。

その薬を飲むに当たり、準備したものが、コンタックスRTSIIIと、S-プラナー60mm。
何でも良い、なんか朽ち落ちそうなココロのアンテナがキャッチしたものを撮影しよう、と藻掻く。
そのためちょっぴり機材も整理。そしてこの「命綱」を購入した。
昨日からはフィルムも予定通りネガからポジに変更し、コマ間データの時間も合わせ直した。
デジタルも使ってるけど、フィルムと同じ速度。1日1枚か、2枚か。
他のサイトへの感想の書き込みが少なくなったのも、変なコメントでご迷惑をおかけしないように自粛しただけ。
今日から服用2ヶ月に入り、大体つきあい方が分かってきた。

以前のブログ(旧サイト)の写真を見ると、「えー・・・明るく楽しそうだね」と思ってしまう。
その頃はまだ、本当の大変さを知らず本当の苦労には遭遇してなかった。
びっくりすることに、今をときめく写真家の飯塚さんや、「芸能人の自然な姿をとらせるならこの人!」と言われるようなかたともちょっぴり交流があった。
それから徐々に仕事も重くなり、いろんなものが重くなり・・・それでもシャッターを押し続けている。
そして3.11。被災者だけじゃない、東北人だけじゃない。みんなが変わった。価値観も。
よく考えたら、本当に激動の真っ直中なんだなと。
この時代に生まれ合わせたのが幸か不幸かは分からない。
分からないと言うより、幸か不幸か、自分で動いて結果を出さないといけない。
日本全体が・・・気づく気づいてない関わらず、そんな選択を迫られていることだけは確かなようだ。

往来で、出会う人、別れる人。その一つ一つを大事にしたいなと思ったりもする。

太平洋沿岸。日曜日写真を撮らせていただいた方へ、A4にしてあまり高くない(=特価の)額に入れてお届けした。うまくいけば、今日には現物が到着しているはず。
袖触れ合うも多生の縁。今度生まれ変わっても、またお会いしたいなと思う。
喜んでいただければいいのだが・・・腕前が、ねえ・・・。
こればかりは、撮り続けて磨き続けないと。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。